趣味のいい街


この近所、特に駅の向こう側なんてのは行ったことがなかった。
意外にその辺りって趣味のいい街っぽくなっていた。
意外に色とかコントロールしてあるし、デザイン的にもつまらなくないように工夫してある。
なにより風景としてまとまりがあり、けっこう歩いている人もいた。
そういうところでなされるデザインはだいたい実利から言えば必要性なんてものはない、いわゆる虚飾にあたるはずだ。
さぁ建築家さん達このような街を見て何を言うのか?
虚飾だから駄目というのか。
本当にそこに実現されている風景はいけないのか。
偽物は駄目という倫理観で風景をはかるのか。
今は時代が違うといって主張しないのか。
逆ににぎわいが演出できていないコミュニケーションのない所だというのか。
公園がやたらあって、そこで奥様方が雑談している日常の風景はいけないのか。
ただの好き嫌いになっていないか。
理想なんていうのが明確にあるのか。
建築家だけで夢を見ていないか。
そんなことが頭によぎりながら見学。
そんな街に建築専攻の僕はどんな操作を加えることができるんだろうか。
そのような雰囲気を継承して、プランに創意工夫をそそぐという、理解を示さない方法でいいのか。
うん、がんばろう。それしかない。